工業団地で食の安全が深刻な問題に
政府の発表によると、ハノイでは特に工業団地を中心に食堂で提供される食の安全が深刻な社会問題となっている。
保健省Tran Van Chung大臣によると最近、Truong Hai Auto株式会社の社員食堂で汚染された食材を使用した料理が提供されていることが明らかになった。Chung大臣は大衆食堂のスタッフが衛生基準を守ろうとする意識が低いことに対して遺憾の意を表明していた。
事件により、食の安全に対する規制が強化され工業団地の大衆食堂やハノイ市の学校で食の安全検査がより細かくなされるようになった。
ハノイ食品衛生委員会長を務めるHoang Thi Minh Thu氏は保健省とハノイ食品衛生委員会は工業団地内の96個の大衆食堂を含む133個の食堂の検査をおこなった。
14個の食堂で食品衛生基準を満たない料理が提供されていることが明らかとなり、合計で8550万ドン(約42万7500円)の罰金が課された。
多く見られた違反事項としては衛生基準を達していない設備や健康診断を受けていないキッチンスタッフが多いなどの項目がある。
食の産地について
保健省食品衛生委員会長のNguyen Thanh Phong氏は食の汚染はとても大きな問題だと述べた。
保健省がおこなった調査ではケータリングサービスで提供されている料理の70%ほどが汚染されていることが明らかとなった。
さらに調査では工業団地内に自社の社員食堂を持っている会社はほんの20%程度である、残りの会社は調理を代行してくれる会社と契約をしていることが判明した。
ハノイ漁業品質保証課のNgo Dinh Loat代表はハノイには1000万人以上の人口がいるため食への需要はとても大きいと述べた。
Panasonic ベトナム社のHa Linh Chi代表は食料のサプライヤーが食堂で食の安全を遵守させることは大きな変化に繋がると述べた。
Hanoi Food Processing JSCのVo Viet Dung議長はChi氏の意見に同意した。
産業団地の労働者に対して低コストの料理を提供しているため栄養面や品質を保つのは困難だとDung氏は続けた。
Dung氏の意見に対しBa Sao Foos Service社のTran kieu Huong代表は同意した。
Huong氏は新聞社の取材に対し、ある程度の量と品質の料理は1品たった1万8000ドン(約90円)ほどで提供することが出来ると答えた。
さらに、安全な料理を作っている会社は各地区に点在する全ての工場に提供するのは難しいことだとHuong氏は述べた。
ハノイ漁業品質保証課のLoat氏は食の汚染問題に対処するためにハノイ市当局はベトナム北部の21の州と契約を交わした。
最近では品質を保つためにコードにかざすと農作物の産地がわかるQRコードアプリが登場した。Loat氏は会社が正しい食材を選ぶことを可能にしたと述べた。
Huong氏は安全な食品を提供するという責任感を感じてもらうために食堂にいるマネージャーやシェフ、スタッフなどを教育する必要があると述べた。
大衆食堂の安全性を高めるためハノイ市保健局のTran Van Chung局長は農産物の産地を規制することや食品の安全検査を強化することが必要だろうとTran Van Chung氏は述べた。
工業団地の管理委員会は大衆食堂との協力関係を強化していくとChung氏は続けた。安全基準に達した店舗のみが営業可能となり、適切なトレーニングを受けた従業員のみが働くことができるようになる。
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